【データ分析】キングオブコント2021 採点結果 審査員別データから見る「完全優勝」と審査点の変化

 

いずれ手にすると言われていた空気階段の優勝で幕を閉じ、
今年は史上最高レベルと言われたキングオブコント2021。

その採点結果を自分なりに分析してみました。
まーまー参考にどうぞ!

 

 

放送日:2021年10月2日
MC:浜田雅功、日比麻音子
審査員:かまいたち山内、ロバート秋山、バイきんぐ小峠、東京03飯塚、松本人志
出演者:蛙亭, ジェラードン, 男性ブランコ, うるとらブギーズ, ニッポンの社長, そいつどいつ, ニューヨーク, ザ・マミィ, 空気階段, マヂカルラブリー

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キングオブコント2021 結果 振り返り

※赤字は審査員ごとの上位3位。
※赤背景は審査員ごとの最高得点
※グレー背景は審査員ごとの最低得点

「偏差」はバラつき具合(標準偏差)
「バリエーション」は、10組に対して何通りの点数をつけていたか

 

審査員全員が「バランス型」

さて、まずは審査員が変わり、
データ変態の私としては、
採点傾向に興味
があったのでそちらを見ていきます。

採点傾向としては、
新しい4人は、松本さんほど点数バリエーションはないものの、

それでいて、「差をつけない採点」でもない、
「差をつけすぎる採点」でもない、

全員が「バランス型」だと言えます。

最高点と最低点の差も全員が8点差
しいて言えば、ロバート秋山さんが上位と下位に点数が少し偏っていた
くらい。

そして、
5人体制ではあるものの、

個々人の興味もはっきりと出ており、
M-1グランプリに近くなった審査傾向だと私個人は思いました。

今年に関しては得点偏差はやや小さめで、
2019年相当の「団子状態」と言えます。

(2018年や2017年は得点偏差が3~5.5)
(2020年は得点偏差が過去最小)

 

もっとも評価が分かれたのは

もっとも偏差が大きかったのが「ニッポンの社長」で、
もっとも評価が分かれたといえるのですが、標準偏差は2.58。
そこまで大きくはないです。
ただ実は、昨年もニッポンの社長がもっとも偏差が大きかった
です。

審査員が変わってもこういう結果になるということは、
ニッポンの社長は評価が分かれがちなコンビなのかもしれないです。

 

勝ち筋「まんべんなく高評価」

賞レースの勝ち筋の一つに、
「個性的な審査員たちから、まんべんなく高評価」な事があります。

たとえ1人が3点低く付けても、残りの4人が1点高くつければ取り返せるから。

先程あげたもっとも評価が分かれたニッポンの社長、
そして次点に割れたそいつどいつが3位以上になれなかったことは典型的ですが、
「評価が割れると不利」であることは過去の例から見ても間違いないです。

今回は1位空気階段が満場一致の高得点、
そして、2位ザ・マミィ、3位男性ブランコとも、
審査員4人が高得点をつけるという分かりやすい結果
となりました。

ただ、
これが「まんべんなく低評価」だと逆の現象が起こります。
そして今年はものの見事に珍現象が発生しました。

偏差が非常に小さく、「まんべんなく低評価」だったニューヨークが、
誰も最低点を付けていないのに最下位になったのです。

「好き嫌いが分かれない」のがマイナスに出たケースだったりします。
この珍現象があるので無難というのも怖いです。

 

抜きん出ていた3組

さて上位進出となった3組ですが、
425点(平均85点)で切ったグラフからも分かる通り、
上位3組と下位に大きな差が出ています。

最下位から4位の差が10点で、
4位と3位の差が9点差。
そして2位と1位の差が10点という、

「1位~2位・3位~それ以下」という状態ができていました。
というわけで、
1位空気階段、2位ザ・マミィ、3位男性ブランコの3組は、
審査員から見て頭1つ抜けていたと言えます。

 

史上最高平均点

ここで、ここ2015年以降(審査員5人制)でのファーストステージ出場者10組の平均点推移を見てみます。

今年、10組の平均点が92.88点となり、
これは、5人制以降のダントツ最高平均点です。

今大会がいかにハイレベルだったかを物語っています。

私も、点数だけでなく、
史上最高に面白かった大会だったように思います。

 

最終ステージ

さて、
ファーストステージで2位と10点差をつけた空気階段ですが、
キングオブコントの恐ろしいのは、
ロッチ、チョコプラに代表される「最終ステージ滑り」がありうる
ところ。

2018年のハナコは14点差をひっくり返し、
コケたチョコプラに逆に18点差つけての優勝
でした。

最終ステージだけで32点差ついた事を考えると、
1stでの10点差は、セーフティーリードでもない
のです。

では、最終ステージの結果を見てみます。

無難にまとめてきた(ように見えた)男性ブランコ、ザ・マミィに対し、
決して万人受けするネタではない空気階段の「メガトンパンチマンカフェ」が
審査員にもハマり、最終ステージも満場一致の1位

点数こそファーストほどではないものの、
ファーストステージよりも2位以下を引き離しての優勝!

データを見ても「完全優勝」と間違いなく言える結果となりました。

講評まとめ

山内「1本目は伝説のネタじゃないかというぐらい感動しました」
飯塚「2本目は設定がインパクト強くてめちゃくちゃ良かったです」
秋山「架空キャラのコンセプトカフェでやられました」
小峠「文句なしの優勝だと思います」
松本「いつか優勝するとは思ってたけど今日この高レベルの中で優勝したのは非常に価値高いと思います」

 

さいごに

どぶろっくの「大きなイチモツ」の480点を超えた
空気階段の「SMクラブ」衝撃の486点。
(なんちゅう世代交代や)
そしてそこからの「メガトンパンチマンカフェ」

おそらくは、
守りに入った「計算できるネタ」でも優勝は堅かったと思われますが、
最後まで攻めたな~というのが個人的な印象です。

そして、史上最高にハイレベルな大会で、
攻めた結果での「完全優勝」
かっこよすぎました。

私みたいなのが、数字の上で偉そうにゴチャゴチャ語っておりますが、
芸人の方々にはいつもパワーや元気をもらい、
毎度毎度、感謝しております!!🙇‍♂️🙇‍♂️

では、空気階段かたまりさんの優勝後のギャグを拝借してお別れします。

「サイコゥ、サイコゥ、サイコゥ!」

 

すべての芸人、スタッフの方々に感謝と尊敬の意を込めまして。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。