苦節15年、ぎりぎり上品な下ネタ王、
どぶろっくが優勝したキングオブコント2019。
その採点結果を自分なりに分析してみました。
まーまー参考にどうぞ!
放送日:2019年9月21日
MC:浜田雅功、葵わかな
審査員:バナナマン設楽、バナナマン日村、さまぁ~ず三村、さまぁ~ず大竹、松本人志
出演者:うるとらブギーズ, ネルソンズ, 空気階段, ビスケットブラザーズ, ジャルジャル, どぶろっく, かが屋, GAG, ゾフィー, わらふぢなるお
キングオブコント2019 結果
※赤字は審査員ごとの上位3位。
※赤背景は審査員の最高得点
※グレー背景は審査員の最低得点
「偏差」は審査員ごとのバラつき具合(標準偏差)を示しています。
最も評価が分かれたのは
かが屋が偏差(バラつき具合)最大の2.48。
そして最高点94に対し最低点87と、7点差は最大の点数差でした。
うるとらブギーズも高得点でしたが偏差は次点の2.28。
95点と90点が2人ずつと、ある程度大きな評価差だと思います。
しかし、下記に示す審査員の得点分布から考えると、
そこまで大きな「評価の差」ではないと考えます。
例年になく、あまり評価が分かれなかった
では、審査員単位での点数分布も見てみます。
「バリエーション」は、10組に対して何通りの点数をつけていたか。
松本さんは、毎年のように「順位付け」をしているのか、
バラバラの点数をつけている様子がうかがえます。
また、標準偏差は全員2~3点台。
(2018年や2017年は得点偏差が3~5.5)
対して、グループごとの偏差が0.75~2.48に収まっている。
ということは、
「審査員同士で、あまり好みが分かれなかった」と言えます。
この5人は、仲良く一見笑いのツボも似てそうですが、
点数に関しては、今まで意外とバラバラの点数を付けていました。
例えば、
2017年にゃんこスターは、全員の評価が高かったように思いましたが、
点数だけ見ると評価が割れており、標準偏差も3.37。
昨年のだーりんずに至ってはここ数年で一番評価が割れました。
標準偏差は4.54。
それらを考えると、最大でもかが屋の2.48だった今年は、
「全員の評価が近かった」と言えると思います。
「まんべんなく高評価」は一つの勝ち筋
賞レースの勝ち筋の一つに、
「個性的な審査員たちから、まんべんなく高評価」な事があります。
1人が3点低く付けても、残りの4人が1点高くつければ取り返せるから。
ちなみに「まんべんなく低評価」だと逆の現象が起こります。
今回も、審査員3人以上から高評価をもらっていた、
どぶろっく、うるとらブギーズ、ジャルジャル、GAGの4組がそのまま上位です。
明暗を分けた3位投票
これは設楽さんの1票が重かったです。
設楽さんだけがジャルジャルとGAGに同じ得点をつけてたんですね。
他の4人は、「つけた点数通りに投票しただけ」です。
というわけで、
再審査の結果、ジャルジャルが3位でファイナル進出。
少し心苦しいです。
どっちも上がったら良かったのに。
決勝のネタルール
今回のキングオブコントでは、
ネタのクオリティを保つためなのか事故をさけるためなのか、
「決勝の2本のネタは、準決勝と同じネタとする」
というルールがありました。
つまり、「決勝の審査員にウケるために、決勝だけネタを変える」とか、
「得点が低いのでイチかバチか勝負に出る」ような、
ネタの変更が許されなかったわけです。
これらも踏まえて、
優勝したどぶろっくの勝因を考えます。
結局は、何が分かれ目だったか?
松本人志さんいわく「どぶろっく貯金が効いた」と。
結論は私も同じ意見ですが、少し補足します。
18点差は確かに大きいですが、
去年のハナコは実に14点差をひっくり返し、
コケたチョコプラに逆に18点差つけての優勝でした。
それを考えると、貯金に加えて、
アンサーソング的な2段方式の
1個目がウケれば、ある程度はウケる、
「守りに入れたこと」の勝利と見ます。
ただこれは、1本目がハネなければできない所業と思います。
このパターンでしか勝てなかったどぶろっく
思い出したのは、R-1ぐらんぷり2018のおぐです。
最終ステージで1本目の裏側的なコントをやり、
1stほどは受けず、優勝は濱田祐太郎に譲ったケース。
また、2017のにゃんこスターだったり、
THE MANZAI アルコ&ピースの「忍者」の2本目など、
全く同じ構成で行った2本目は、やはり評価は下がっていました。
ということで、
2本立ての戦略を取っている以上、
今回どぶろっくが優勝するには、
1本目でバカウケするしか無かったのではないかと。
(設楽さんだけは唯一1stより点数を高くしていましたが)
普通に考えれば、
正統派や技巧をこらしたコントが勝ち上がり、
最後はうるとらブギーズが持っていってたと思います。
そんな中で順番もよく、
緊張感を吹き飛ばすような底抜けのバカバカしいコント。
それが見事にハマってしまったということではないでしょうか。
とはいえ、準決勝と同じネタというシバリがある中で、
準決勝の審査員にも刺さらないと決勝に残ってないわけです。
それを考えると、どぶろっくが何より至難の業をやってのけたと思います。
さいごに
今回は、下ネタで優勝だっただけに、賛否は起こってるのかな。
しかし、
芸歴15年、持っている武器は「ぎりぎり上品な下ネタ歌」。
こんなアホな事を一生懸命やって、面白くないわけがない!
その迷いのなさが5人にハマったのではないでしょうか。
また、私みたいなのが、数字の上で偉そうにゴチャゴチャ語っておりますが、
決して何か批判の意図など持ってないです!!
芸人の方々には毎回毎回パワーをもらい、感服する限りです。
そして、
空気階段の水川さんが敗退時におっしゃった言葉。
「お笑いのある世界に生まれてきて良かったです」
・・・見てる側も同じ気持ちですから!!!
すべての芸人の方々に感謝と尊敬の意を込めまして。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
そいではまたー