M-1史上、最混戦だった2020年のM-1。
予想外の展開から、予想外の優勝者と、驚きと感動、そして大爆笑に包まれた1日で幸せでしたが、
まだまだ余韻を楽しんでいきます!
では今年も、採点データをいろんな角度から見ていきたいと思います!
作成日:2020年12月21日
すみませんが、敬称略、
またまた申し訳エラそうに分析させていただきます。
※ あくまで点数・傾向に関しての分析であり、
審査や大会に関する批判の意図などは全くありません
M-1グランプリ 2020 採点結果
1st ラウンド
※審査員ごとの最低点を青字、高得点3つを赤字で示しています
では、ファーストラウンドの点数を見てみます。
今年は、例年になく、
各審査員の上位3組がバッラバラ。
上位3組を赤字にしていますが、
これが8組に渡るのは、史上初の出来事。
(2002年談志師匠の6組同点を除く)
高得点を3人からもらっていたニューヨーク、オズワルドがともに5位。
高得点は2人だったけど錦鯉が4位という、
面白い現象が見られています。
しかし、3位と4位とは5点差であり、
全審査員の総意で見れば、
上位3組が頭1つ2つ抜けていたと言えます。
(新M-1での5点の差は小さくないです)
なお、
全点数の平均点は90.97点で、
2019年の92.26点についで、史上2番めに高い、
「高得点連発の大会」でした。
また、
10位、東京ホテイソンの617点、
平均88.14点は、最下位の中ではM-1史上最高得点でした。
いかに、今大会が混戦だったかを物語るようです。
極端に評価がバラついた組は居なかった
右端の「偏差」は「どれだけ審査員の点数がバラついたか」の指標です。
昨年2019年は史上最も偏差が少なく、審査員の点数がだいたい一致していたのですが、
今年も偏差は少なめ。
各審査員の上位3組はバラバラでも、
得点偏差は最大でも錦鯉の2.75であり、
審査員の意見はおおよそ一致したと言えそう。
M-1史上、最もバラつきのなかった採点
ここで、各審査員のデータも見てみます。
「バリエーション」は「何通りの点数でつけていたか」です。
松本さんは2017年から9~10通りで、明確に「順位付け」の意図を感じます。
上沼さんがずば抜けて例年よりも偏差が小さく、
差をあまりつけなかった事を表しています。
点数も92点~95点と、全組高評価でした。
偏差の大きい塙さんも、バリエーションは5つのみ。
そして、松本さん、志らく師匠も偏差は例年より大人しく、
審査員の偏差平均が2.42となり、
これはM-1史上最低値です。
つまり、
近年で一番の、
「全組高得点でありながら、1位から10位までの差が無かった大会」
でした。
(なお1位から10位までの点数平均差が最も少ないのは2015年)
これだけ上位3組がバラけたにもかかわらず、
それぞれの審査員にとっては各組が僅差、
1位から10位までが団子状態であった事を表しています。
最も、最終順位に近かった審査員
昨年のM-1で、
松本さんの順位付けが完全に一致していたことが話題になりましたが、
今大会でも見てみることにします。
完全一致は居なかったですが、
上沼さんが上位3組、下位3組、中位4組をほぼ一致させたという、
「最も差を付けなかった人が、最も最終順位に近い」
という、
まさに団子状態で起こりやすい現象を起こしました。
昨年も書きましたが、
わりとこれは偶然の出来事なので、
「今年は、えみちゃん-1グランプリだったぜー」とは言えない現象ですが、
面白かったので書いてみました。
7審5採用方式でも見てみる
こちらもちょっとお遊びです。
偏差が小さい場合にはほぼ意味がないのですが、
スキーなどでよく採用される、
最高点、最低点を除いた合計を適用してみます。
オズワルドが同率5位から6位になる程度で、
同じです。
あとは、錦鯉が見取り図に1点差で肉薄とか。
やっておいてなんですが、
特に得るものはなかったです。
最終決戦
たびたび言われているように、3票、2票、2票は史上初。
こちらも1st同様の大・票割れの格好となりました。
ちなみに、
最後の上沼さんが見取り図に入れていたら、
マヂラブと3票で同点、1stの点数1点差でマヂラブの優勝という、
とんでもない僅差になっていました。
ここで、1stの点数を振り返ってみます。
1stの点数が高かったとおりに入れたのが、
松本さん、礼二さん、富澤さんだけで、
4人が最終決戦のネタを見て「くら替え」するという
2017年以来の「最終決戦での大くら替え」が見られました。
(ちなみに史上最大鞍替えは2009年のちんポジ時)
1stでの1位と2位の差が9点ありながら、
M-1の特徴である、
「最終決戦は1stの点数を考えない」
が、ここで効いた結果となりました。
なお、
松本さんはまたしても優勝者ではない組に投票、
「5年連続、優勝者に投票しなかった」結果となり、
ジンクスが継続されています。
最下位経験者で、最初の覇者
マヂカルラブリーの野田さんが、
優勝インタビューで
「最下位を取っても、優勝することあるんで、諦めないでください皆さん!」
とおっしゃっていましたが、
最下位経験者でM-1を優勝した、
史上初の快挙となりました。
さいごに
M-1グランプリは、予選のときから見て、
プロ・アマの通過率のデータを取っては感心し、
決勝では各組の生き様に感動をして、
そして決勝後にもこうデータを見てニマニマするという、
ひつまぶしみたいな楽しみ方をしております。
また、
今年は観客が少ない中でも、笑い声が大きく、
コロナ禍でも敗者復活に足を運ぶ方も多く、
お笑いファンの方々にも感動をおぼえました。
芸人の方々、スタッフの方々、
盛り上げてくださった皆様に感謝と尊敬の念をこめ、
敗者復活ステージでのインディアンスさんの言葉をお借りしてお別れします。
「国民、最高~~!!」
今年も年末に、極上の笑いをありがとうございました!🙇🙇
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
そいではまたー