ルールがガラッと変わった「新生R-1グランプリ」初年度となったR-1グランプリ2021。
特に、採点方式が従来の投票から点数方式に変わったということで、データ変態的にも見逃せない大会となりました。
採点データをいろんな角度から見ていきたいと思います!
作成日:2021年3月9日
すみませんが、
またまた申し訳エラそうに分析させていただきます。
※ あくまで点数・傾向に関しての分析であり、
審査や大会に関する批判の意図などは全くありません
R-1グランプリ 2021 採点結果
1st ステージ
※審査員ごとの最低点を青字、高得点3つを赤字で示しています
では、ファーストステージの点数から見てみます。
パット見て目につくのが、
各審査員の上位3人と最下位がバラバラ。
全員の評価が4位~9位に収まったのがkento fukayaさんただ1人です。
また、上位3人を赤字にしましたが、
これが実に7人に渡っており、各審査員で評価が割れたことを表しています。
興味深いのが高田ぽる子さんへの評価で、
上位4人と下位2人に割れていました。
賞レースの勝ち筋の一つは、
「まんべんなく高評価」なのですが、
高田さんの場合、この「評価割れ」が足をひっぱり4位となりました。
賞レース決勝でここまで露骨に割れたのは記憶に無いです。
(近いのはM-1 2018トム・ブラウンの上位2人 下位1人)
高得点連発の大会
さて、7人審査といえばM-1グランプリを思い出しますが、
今大会の審査員の平均点は92.4点で
これはどのM-1グランプリよりも高いです。
(M-1の最高平均は2019年の92.2点)
唯一の例外は、中山功太さんが683点を叩き出し、
バカリズムさんが100点を取ったR-1グランプリ2009までさかのぼり、
この時の平均点が93.9点。
これが現在の7人審査制での最高平均点で、これに次ぐ記録となりました。
また、10位 寺田寛明さんの633点は審査員7人では628点、
これはR-1グランプリでの最下位中の最高得点。
(次点はR-1 2010 COWCOW山田さんが627点)
M-1グランプリに当てはめても、最下位中の最高得点でした。
(M-1では2020 東京ホテイソンの617点)
いかに、今回は高得点で採点されたかを物語っています。
極端に評価がバラついた組は居なかった
右端の「偏差」は「どれだけ審査員の点数がバラついたか」の指標です。
得点偏差は最大でも土屋さんの2.76であり、そこまで大きな数字ではありません。
これは、各審査員がほぼほぼ横並びの点数を付けた時か、
あるいは各組の点数に上下差を付けなかったときに起こる現象です。
上下差をあまりつけなかった採点
というわけで、どちらだったかを審査員ごとの点数から読み解きます。
※「バリエーション」は「何通りの点数でつけていたか」
ホリさんが偏差1.02、点数も93~96と差をつけなかったですが、
その他の人も点数差は8点以内に収まっており、
偏差も最大で2.46。
平均値が1.99となり、
これは過去R-1や、M-1グランプリの採点と比べて非常に小さいです。
(M-1グランプリの偏差平均の過去最低は2.42であり、
もっと点差をつけるのが常)
つまり、審査員全員が各人の点数差をあまりつけていなかったという事。
これだけ狭いと、
どうしても合計点が僅差になってきます。
その中でも抜けていた2人
ここで点数を上位からグラフにプロットしてみます。
縦軸の最低値を600点に置いていますが、
3位~8位が団子状態なのが見て取れます。
むしろ、この中で5人以上から高評価を得て、
1位ZAZYさんと、2位ゆりやんさんが抜けていることが、
「1stステージでの審査員の総意」と推測できます。
七審五採用でも見てみる
ここで少しお遊び。
スキーでよく使われる、最低と最高を除く五審三採用ならぬ、
「七審五採用」でも見てみます。
視聴者投票も除きます。
すると、ZAZYさんとゆりやんさんが同率1位、
3位は、4位と1点差で賀屋さんという結果が浮かんできました。
審査員たちの「中道」を取ってみると、
1位~3位は変わらず、
しかし上位2人は同じくらい高評価で、しかも抜けていたという結果。
この事からも、「中位は団子状態、上2人は抜けていた」と言えます。
もっとも「平均的な審査」は誰か?
こちらもちょっとお遊びです。
2019年のM-1で、松本人志さんの点数付けが完全に最終順位と一致していたことが話題になりました。
この大会でも見てみることにします。
完全一致した人は居なかったですが、
野田クリさんが上位3人を一致させていました。
また、総合的には、
麒麟 川島さんが3位4位が逆程度の差であり、
最も平均的だったと言えます。
これは「審査員の平均的な結果」でわりと偶然の産物で、
「今年は、川島-1グランプリだったぜー」とは言えない現象ですが、
面白かったので書いてみました。
ファイナルステージ
ファイナルの点数は放送中には内訳が明かされなかったのですが、
終了後に公式ツイートにて発表されました。
点数に関しては、ゆりやんさんが抜けており、1位は明確ですが、
M-1のような投票方式だったとしても
1位 ゆりやん 5票
2位 ZAZY 2票
3位 かが屋 賀屋 0票
となり、結果は同じ。
なお、陣内さんだけが同率1位ですが、
実はこれはアクシデントで本来「93」だったらしいので、
ゆりやんさんに1票とカウントします。
(公式記録としては92点)
グラフにしても、
僅差とは言えず、結果的にはゆりやんさんの一人勝ちだったように思います。
「くら替え」は起こったか?
さて、「投票方式だったら?」という観点から、
1stステージの上位3組の点数を見直してみます。
これと比較すると、
陣内さん → ゆりやん1位のまま
友近さん → ZAZY1位のまま
ホリさん → 賀屋からゆりやんに
古坂さん → ZAZYからゆりやんに
野田さん → 同率からゆりやんに
川島さん → 同率からゆりやんに
ザコシさん → ZAZY1位のまま
という「くら替え」内訳になっており、
こちらに関しては賀屋票、ZAZY票をもってきたゆりやんさんに、やはり軍配が上がったのかなという結果でした。
さいごに
データ変態がお送りする、
R-1グランプリ採点データ分析、データ遊び、楽しんでいただけたら幸いです。
本編のR-1グランプリに関しては、
やれ「放送尺が短い」とか「構成がグダグダ」とか
「ネタは4分欲しいよー」「演者は悪くないよなー」とか、
賛否両論が飛び交っております。
新生R-1グランプリ1年目。
きっと来年はより良いものができるだろうという期待と、
そこまで「お笑い」のために真剣に怒っている皆さんを嬉しくもあり、
私的には「笑えたから幸せやわ!」の精神です😄😄
今年もピン芸の最高峰、春先に極上の笑いをありがとう!🙇🙇
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
そいではまたー