【データ分析】キングオブコント2022 採点結果 過去最高得点そして過去最高「団子審査」

 

今年は今まで以上に団子状態だったと思われるキングオブコント2022。
フタを開けてみればビスケットブラザーズのダントツ優勝。

その採点結果を自分なりに分析してみました。
まーまー参考にどうぞ!

放送日:2022年10月8日
MC:浜田雅功、日比麻音子
審査員:かまいたち山内、ロバート秋山、バイきんぐ小峠、東京03飯塚、松本人志
出演者:クロコップ, ネルソンズ, かが屋, いぬ, ロングコートダディ, や団, コットン, ビスケットブラザーズ, ニッポンの社長, 最高の人間

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キングオブコント2022 結果 振り返り

※赤字は審査員ごとの上位3位。
※赤背景は審査員ごとの最高得点
※グレー背景は審査員ごとの最低得点


「偏差」はバラつき具合(標準偏差)
「バリエーション」は、10組に対して何通りの点数をつけていたか

 

バラバラの高得点

昨年と同じ審査員ですが、
特徴的なのは個々人の興味がはっきりと出ているところで、
今年もその傾向が見られました。

各審査員の得点上位3組を赤字で記した通り、
一人でも上位3組以内に高得点がつけられていたのが、
なんと9組にわたります。

さらには、最低点をつけていたのも6組にわたります。
3人以上一致の最低点がみられません。

唯一、4人が最高点をつけたビスケットブラザーズが、
ダントツの1位という結果です。

もっとも評価が割れたのは

もっとも偏差が大きかったのがコットンで、
もっとも評価が分かれた
といえるのですが、標準偏差は2.45。
これは昨年もっとも評価が割れたニッポンの社長(2.58)よりも小さく、
そこまで大きな値ではないです。

しかし、高得点が3人に対して、
小峠さん飯塚さんが91点という点数をつけたことで、
明確に高評価と低評価に分かれた印象が強くなっています。

勝ち筋「まんべんなく高評価」

賞レースの勝ち筋の一つに、
「個性的な審査員たちから、まんべんなく高評価」な事があります。

たとえ1人が3点低く付けても、残りの4人が1点高くつければ取り返せるから。

ダントツの一位になったビスケットブラザーズや、
3人の高評価と2人の中評価を得て、2位に食い込んだ や団が最たる例
です。

しかしながら、今年はもっとも評価が割れたコットンが同率2位に食い込みました。

これは、過去の例ではめったにない、非常に珍しい結果です。
どうしてこういう事が成し遂げられたのでしょうか。
紐といてみます。

審査員があまり差をつけなかった

今年は秋山さんと小峠さんが、5パターンという、
非常に少ない範囲
での審査。

また過去最小の偏差平均だった2020年の2.42を下回り、
今年は2.01というダントツの最小値
でした。
(2021年は2.58、2018年や2017年は3~5.5)
つまり、審査員が差をつけなかったということ
です。

さらに、
昨年は全員が最高点と最低点が8点差だった
のですが、
今年に関しては最大で松本さんの8点差、
山内さん小峠さんが7点差、飯塚さんが6点差、
秋山さんに至っては4点差という範囲の狭さ
からもうかがえます。

これは、過去に例がないレベルで
各審査員が10組に差をつけなかった事を表しています。

つまり、
高評価が審査員ごとにバラバラでありながらも、
差をつけなかったことで、
今年の採点は「団子状態」に陥っていました。

つまり、
「団子状態においては、
好き嫌いがあっても、3位以内に入れる」
という実例をコットンが示しました。

それでも抜きん出ていた

さて、そんな団子状態になった今年でしたが、
得点順のグラフを見てみます。

2位のや団、コットンから9位のいぬまでが11点差にひしめく団子状態です。
しかし、1位ビスケットブラザーズと2位が同じく11点差。

これは、団子状態の中でもビスブラが完全に抜きん出ていたことに他ならないです。

1位が抜きん出て、2位が同率、そして4位が4点差、5位が3点差、
そしてそれ以下が続くという状態でしょうか。
そう考えると、やはり1位2位の3組が抜けていたという数字です。

なお、10位ニッポンの社長が455点でしたが、
これは審査員5人制以降でもっとも高得点な最下位です。

史上最高平均点

ここで、ここ2015年以降(審査員5人制)でのファーストステージ出場者10組の平均点推移を見てみます。

昨年にガツンと上がった平均点を、
今年はさらに0.06点上回り、
史上最高平均点
の大会でした。

なお、最高点と最低点の推移を見てみると分かるように、
最低点がどんどん上がっており、
最高点と最低点の差が縮まっている事がわかります。
必然的に、平均点も上がっています。

番組冒頭で、松本さんが
「去年の出来が素晴らしかったので、それを超えることが難しいかも分からない」
とおっしゃっていましたが、
今年も同じくらいもしくはそれ以上の結果だったと言えそうです。

 

最終ステージ

さて、
ファーストステージで2位と11点差をつけたビスケットブラザーズですが、
キングオブコントの恐ろしいのは、
ロッチ、チョコプラに代表される「最終ステージ滑り」がありうる
ところ。

2018年のハナコは14点差をひっくり返し、
コケたチョコプラに逆に18点差つけての優勝
でした。

最終ステージだけで32点差ついた事を考えると、
いくらファーストで団子状態の審査だったとは言え、
セーフティーリードでもない
のです。

では、最終ステージの結果を見てみます。

3組とも、
ファーストステージとは少し違ったテイストのコントで挑みましたが、
結果は
ビスケットブラザーズがさらに8点引き離しての勝利。
難解なキャラ設定からの、鳥肌オチがキレイすぎた、文句なしの高得点。

終わってみれば、963点で史上最高点での優勝という結果になりました。

中身をよく見ると、
山内さん以外の4人がビスブラを最高点に置き、
山内さんがコットンに最高点を入れたのはファーストと全く同じ構図。

しかし、
小峠さんがファーストよりもコットンを評価していたり、
逆に松本さんがファーストよりも や団を評価していたりと、
ネタやキャラの好みはありつつも、
各々の基準で審査していたことがうかがえます。

各審査員の講評まとめ:

山内「ビスブラはいつか来るとは思ってましたけど今日本当に面白かったです」
秋山「発想もボケも全部面白かったんで点数つけさせてもらいました 最高でした」
小峠「めちゃくちゃ面白かったです 文句なしの優勝でございます 面白かったです」
飯塚「見たことない設定でこの2人にしかできないコントだったので、めちゃくちゃ面白かったです」
松本「コントはもう面白いのは当然として、演技力がないと上がっていけないという恐ろしい時代に入ってきたと思います」

 

さいごに

どぶろっくの「大きなイチモツ」の480点を超えた、
前年の空気階段の「SMクラブ」486点。
そして今年の「セーラー服ブリーフ」481点。

・・・キングオブコント、下ネタ強すぎませんか?

ビスケットブラザーズ、個人的にも爆笑しましたが、
演技力や設定、キャラ、ワードはさることながら、
展開とかけあいがめちゃくちゃ早く、
「展開予想を惑わせてくるスキル」がずば抜けてるのかなと思った次第です。

・・私みたいなのが、偉そうに語らさせてもらってますが、
芸人の方々にはいつもパワーや元気をもらっています。

正直最近プライベートも忙しくなってきて、
余裕がなかったかもしれなかったのですが、
いざお笑いを見ると、芸人の方々の圧倒的なパワーを見たり、
お腹の底から笑えたりで、
本当に助けてもらっております🙇‍♂️🙇‍♂️

では、ビスケットブラザーズが紹介Vで言っていたコメントを拝借してお別れします。

「笑うことをあきらめるな」

探せば、きっと面白いところが仕掛けられているって。

すべての芸人、スタッフの方々に感謝と尊敬の意を込めまして。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。