今年もニュースターが生まれた2021年のM-1グランプリ。
感動と爆笑、そして優勝者を祝福する声に包まれた1日でしたが、
まだまだ余韻を楽しんでいきます!
では今年も、採点データをいろんな角度から見ていきたいと思います!
作成日:2021年12月19-20日
すみませんが、またまた申し訳エラそうに敬称略、
勝手ながら分析させていただきます。
※ 点数・傾向に関しての分析であり、
審査や大会に関する批判の意図等はありません
M-1グランプリ 2021 採点結果
1st ラウンド
※審査員ごとの最低点を青字、高得点3つを赤字で示しています
では、早速ファーストラウンドの点数を見てみます。
賞レースの勝ち筋に、
「個性的な審査員からまんべんなく高評価をもらうこと」があります。
1人が5点低くつけても、他の6人が1点高くつければ取り返せるから。
今年も、ものの見事にトップ3に現れていました。
6人から評価の高かったオズワルド、
5人から評価の高かった錦鯉、
4人から評価の高かったインディアンス。
そして4位ロングコートダディ、5位ももに至るまで、
審査員ごとの高評価の数がそのまま順位に反映されました。
また、3位と4位とは6点差あり、
(新M-1での6点の差は小さくないです)
全審査員の総意で見れば、
オズワルドがずば抜け、錦鯉とインディアンスも頭1つ抜け、
さらには前半5組が下位、後半5組が上位にハッキリ分かれたとも言えます。
評価が割れたのは?
ここで、右端の偏差に注目してみます。
オズワルドは、審査員がほぼ95点付近で一致ということで、
最もバラつかなかった事を示す1.07。
逆に、最も評価が割れたのがハライチ。
上沼さんいわく「審査員のみなさんおかしいわ」のワンシーンですが、
上沼さんが最高評価、松本さんが中評価、他の5人が低評価。
礼二さんと塙さんに至っては最下位をつける辛口評価という割れっぷりでした。
M-1史上、最もバラつきのなかった採点
ここで、各審査員のデータも見てみます。
※バリエーション=何通りの点数でつけていたか
松本さんは2017年からずっと9~10通りのバリエーションで、
明確に「順位付け」の意図を感じます。
今年もハライチとももが同率以外は全員バラバラ、
さらには1点刻みという点数の付け方でした。
また、昨年は上沼さんが各組に全然差をつけなかったことが話題になりましたが、
今年はいつもの「えみちゃんワールド」が復活、
最も差をつけた審査員となりました。
ただ、塙さんが例年より大人しく、今年は富澤さんと並んで89~95点で採点していました。
そして審査員の偏差平均が2.41となり、
これは昨年の2.42を下回る、M-1史上最低値です。
つまり、今年の審査員は、
「もっとも審査員が各組に対して差をつけなかった年」
言い換えれば「M-1史上もっとも団子状態だった年」となりました。
最も、最終順位に近かった審査員は?
ここでちょっとお遊び。
2019年のM-1で、
松本さんの得点順位付けが最終順位と完全に一致していたことが話題になりましたが、
今大会でも見てみることにします。
完全一致した人は居ませんでしたが、
上位3組が一致していたのは松本さん、塙さん、巨人師匠、
下位3組が一致していたのは礼二さんでした。
最も惜しかったのは3位4位5位が違ったのみの礼二さんでしょうか。
塙さんも総合順位に非常に近いバランスのとり方をされていました。
7審5採用方式でも見てみる
こちらもちょっとお遊びです。
偏差が小さい場合にはあまり意味がないのですが、
スキーなどでよく採用される、
最高点、最低点を除いた合計を適用してみます。
ご覧の通り、ほとんど順位は変わりません。
ということは、外れた審査があったところで、
審査員の大体の意見は一致していたと言えるでしょう。
最終決戦
さて、錦鯉がそのバカっぷりを見せつけ、
オズワルドいわく「空気を変えてしまった」と後に振り返った最終決戦はどうでしょうか。
昨年の3票、2票、2票という史上初の「大割れ」が話題になりましたが、
今年の、5票、1票、1票もなにげに史上初の投票のされ方でした。
ここで、1stラウンドの点数を振り返ります。
上沼さんと巨人師匠が、1stラウンドの高得点そのままにインディアンス、オズワルドに投票。
礼二さんはオズワルドと錦鯉の同率から錦鯉への投票。
そして、残り4人がオズワルドから錦鯉への「鞍替え」という結果となりました。
志らく師匠に至っては、
6点差を覆すほどの最終決戦でのある意味「逆転」。
M-1グランプリでの最終決戦は、
元々の審査員ごとの好みはあっても、
みなさんあくまで最終決戦は最終決戦で別評価する軸を持っているように思います。
また、
2016年から続いていた「松本さんが投票した組は優勝しない」のジンクスが今年でストップとなりました。
データ集
以下、今年みられた記録やデータ集です。参考になれば。
史上最年長 優勝
錦鯉長谷川が50歳での優勝。
とろサーモン久保田と村田の記録38歳を大きく上回る、
史上最年長記録。
また、渡辺も43歳であり、
コンビ合わせて93歳もとろサーモンの76歳を大きく上回る最年長コンビ記録となった。
トップバッターの得点が史上最高
今年トップバッターのモグライダーが637点。
これは2009年ナイツの記録634点を超え、
トップバッターでの史上最高点となりました。
最下位の得点が史上最高
最下位に沈んだランジャタイでしたが、得点は628点
これは、昨年の東京ホテイソンの記録617点を上回り、
一大会での最下位の得点の中ではM-1史上最高点となりました。
ちなみに、
2002年M-1の最高点がフットボールアワーの621点であり、
それをも上回る今年の最下位という珍現象が生まれました。
最低点が史上最高
また、今年全体での最低点は、
松本さんと巨人師匠がランジャタイにつけた87点ですが、
この87点というのは、昨年の85点を上回る、
一大会での最低点の中ではM-1史上最高点となりました。
今年が全体的に得点が高かった要因となっています。
平均点は史上2位
今年の平均点92.09点は、M-1史上2番目の「高得点大会」
史上最高は2019年の92.26点であり、
今年は過去最高値に肉薄する超ハイレベルな大会だったと言えます。
エントリーナンバーが史上最小
もものエントリーナンバーが6番という、
2017年かまいたちの37番を下回るファイナリスト歴代最小エントリーナンバー記録。
ももの2人が自分で言ってました。
その気合の入り方がちょっとおもしろかったので取り上げ。
さいごに
50歳長谷川、43歳渡辺の「おっさんコンビ」錦鯉。
俺でも見て元気出せよと言わんばかりのバカおっさんが、
最終決戦でも大バカ漫才を披露。
その徹底したバカっぷりから空気感まで変えた結果、
正確無比・後半必ず盛り上げてくるオズワルドを焦らせ、
わずかな狂いが生じたところからの「優勝かっさらい」
その劇的な幕切れに、感動・感激、
気づけば長谷川さんより先に泣いていました。
私もまごうことなきオッサンの年齢ですが、
今年は元気と勇気をいっぱいもらいました。
私の人生、お笑いに助けられっぱなしです。
(お笑い界に何かで恩返ししたいなあ)
錦鯉は最高にバカで最高にカッコいいです。
オズワルドもインディアンスも最高に面白いです。
決勝の10組だけでなく、敗者復活戦や予選までも最高に面白いです。
みんな最高にプロフェッショナルでした。
全ての芸人の方々に感謝と尊敬の念をこめまして、
今年も年末に、極上のお笑いをありがとうございました🙇🙇
では長谷川さんの好きな、
松本人志さんの名言でお別れしたいと思います。
松本は言います。
魂は歳をとらない。本日57歳になりました㊗️
— 松本人志 (@matsu_bouzu) September 7, 2020
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
そいではまたー