
THE SECOND 2026は、トットが優勝し、幕を閉じました。
しかし、最も語られそうなのは、金属バットの決勝ネタ「畜産農家」かもしれません。
この記事では、トットがいかに勝ち切ったのかを、3試合の点数内訳と金属バット決勝から考えます。
この記事のポイント
- トットは初戦「電子マネー」で、ベテランの振る舞いだったザ・パンチを振り切った
- 最大の山場は、リニア「ビジュ担」とトット「タバコ」がぶつかった準決勝だった
- 金属バット決勝の2点34票は、「面白いが、これで優勝はちょっと」という評価の表れだったと見る
単なる結果まとめではなく、点数の内訳から見ると、THE SECOND 2026は非常に面白い大会でした。
最高得点を出したのは金属バット。
しかし、3試合を通じて勝ち切ったのはトット。
この対比は、今大会を語るうえで非常に重要だと感じます。
THE SECOND 2026はトットが優勝|3試合の勝ち上がりを整理
THE SECOND 2026は、トットが4代目王者となりました。
決勝では金属バットを281対264で下し、優勝。
ただし、トットの優勝は決勝だけを見ても語り切れません。
トットは、1回戦でザ・パンチ、準決勝でリニア、決勝で金属バットと対戦しました。
| ラウンド | 対戦相手 | トット | 相手 | 点差 | トットの3点票 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回戦 | ザ・パンチ | 293 | 275 | 18 | 94 |
| 準決勝 | リニア | 292 | 289 | 3 | 92 |
| 決勝 | 金属バット | 281 | 264 | 17 | 82 |
数字だけを見ると、トットは非常に強いです。
1回戦は293点。
準決勝は292点。
決勝は281点。
3試合すべてで280点以上を記録しています。
ただし、勝ち方はそれぞれ違いました。
初戦のザ・パンチ戦は、序盤こそタフな試合でしたが、トットが「電子マネー」の構成力で後半に突き放した試合のように見受けられました。
準決勝のリニア戦は、今大会でも特に勝敗が最後まで分からなかった3点差の大接戦。
決勝の金属バット戦は、金属バットの衝撃的なネタに対して、観客審査員が最終的にトットを選んだ試合でした。
つまり、トットは単に高得点を並べて優勝したわけではありません。
相手ごとに違う種類の勝負をして、そのすべてを勝ち切った。
ここに、THE SECOND 2026のトット優勝を読み解くポイントがあります。
一方で、今大会最高得点はトットではありません。
最高得点は、準決勝で金属バットが出した296点です。
正直に言うと、準決勝が終わった瞬間、「今年は金属バットの優勝か!」と思いました。
理由は2つあります。
- 決勝で後攻を選べること(THE SECONDは後攻が有利とされている)
- 1回戦でそれほど大爆発したようには見えなかったにもかかわらず、金属バットが293点を取っていたこと(観客との相性が良さそう)
準決勝では296点、3点96票。
ここまで出るなら、決勝もそのまま押し切るのではないか。
少なくとも私は、準決勝終了時点ではそう見ていました。
初戦ザ・パンチ戦|トット「電子マネー」はなぜ293点まで伸びたのか
トットの初戦の相手は、ザ・パンチでした。
ザ・パンチが披露したのは「人見知り」。
序盤は、ベテランらしい空気の掴み方とバカバカしさで、客席をしっかり温めていたように見えました。
ただ、後半にかけては少し伸びきらなかった印象もあります。
しかし、ザ・パンチが外した試合ではありませんでした。
その証拠に、点数内訳を見ても、1点は0票です。
これは、観客から大きく外れたネタではなかったことを示しています。
| コンビ | 1点 | 2点 | 3点 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| ザ・パンチ | 0 | 25 | 75 | 275 |
| トット | 1 | 5 | 94 | 293 |
対するトットは、1点1票、2点5票、3点94票。
ほとんどの観客から3点を引き出しました。
トットが披露した「電子マネー」は、頑なに現金を使い続ける多田さんと、電子マネーを使わせたい桑原さんの掛け合いで進むしゃべくり漫才でした。
このネタは、構成が非常に強かったです。
ザ・パンチも序盤は良かった。
ただ、トットがとにかく受けすぎていました。
ザ・パンチは1点0票で、きちんと客席を掴んでいました。
しかし、トットは3点94票まで伸ばした。
勝敗を分けたのは、失点の少なさではなく、3点をどれだけ取り切れたかでした。
審査員としては、差があったと感じたら差はつけてしまう
18点差ほど開いた理由は、いくら審査の建前上は「絶対評価」と言えども、「これは差があったな」と思えば心理上「一方には3点、もう一方にはそれより下」を付けたくなると思います。
どちらもめちゃくちゃ面白かった場合は3点ずつを付け、判断は他の人に委ねることもあるでしょう。
でも、「差があった」と感じた人は「差をつける」と思います。
私が審査員であったらそうします。
この一回戦では、トットがザ・パンチを「上回った」と見た人が多かったということだと思います。
この初戦で、トットはただ勝っただけではありません。
THE SECONDの観客100人に対して、
「面白かった」ではなく、
「とても面白かった」まで押し上げる漫才を初戦から出せた。
ここに、トット優勝の最初の布石があったと考えます。
1回戦全体に見えた「ベテラン先攻」と「挑戦者後攻」の構図
トットの初戦を振り返るうえで、1回戦全体の流れにも触れておきたいです。
少なくとも私には、1回戦はどの試合も、先攻と後攻で見え方が少し違って映りました。
先攻は、ベテランとしてのノリやキャラクターで場の空気を掴みにいく。
一方の後攻は、挑戦者のような雰囲気で、きっちりネタをやり切る。
そういう構図が、1回戦全体にあったように感じました。
金属バット、タモンズ、シャンプーハット、ザ・パンチ。
それぞれが、自分たちの色で会場を掴みにいっていました。
一方で後攻のヤング、黒帯、リニア、トットは、それぞれのしっかりしたネタで「勝ちに来ている」空気がより強く出ていたようにも見えました。
しかし、フタを開ければ先攻2勝、後攻2勝のがっぷり四つ!
| 試合 | 先攻 | 後攻 | 勝者 |
|---|---|---|---|
| 第1試合 | 金属バット 293点 | ヤング 279点 | 先攻 |
| 第2試合 | タモンズ 289点 | 黒帯 283点 | 先攻 |
| 第3試合 | シャンプーハット 279点 | リニア 293点 | 後攻 |
| 第4試合 | ザ・パンチ 275点 | トット 293点 | 後攻 |
これで、本大会の行方が全くわからなくなりました。
準決勝リニア戦|最大の山場は3点差の紙一重だった
トットの勝ち上がりで最も苦しかったのは、準決勝のリニア戦だったと思います。
点数は、リニア289点、トット292点。
差はわずか3点でした。
| コンビ | 1点 | 2点 | 3点 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| リニア | 1 | 9 | 90 | 289 |
| トット | 0 | 8 | 92 | 292 |
リニアの「ビジュ担」は、題材が今風で、若い層や女性客にも刺さりそうな、「イケ好かない(私みたいなおじさんからすると嫉妬が入った😄)」素晴らしい展開のネタでした。
一方のトットは「タバコ」を題材とした、老若男女に伝わりやすく、むしろオッサン向けとも言える禁煙がテーマでした。
若さや華やかさと熱量を感じるリニアの「ビジュ担」に対して、トットは生活感と桑原さんの憑依型で笑わせる「タバコ」。
この題材の対比も、準決勝を非常に読みにくくしていたと思います。
正直に言えばリニア終了後ではリニアが勝つかなと思いましたが、トットの後半、桑原さんが突っ伏した場面で拍手笑いが巻き起こった時、これは分からなくなったと感じました。
結果、リニアは3点90票、289点。
他の試合なら勝っていてもおかしくない数字です。
しかしトットは、1点0票、3点92票でわずかに上回りました。
もし先攻後攻が逆だったら、結果が変わっていた可能性もあったかもしれません。
それくらい、この準決勝は紙一重だったと思います。
結果的にはこのリニア戦を越えたことが、トット優勝の最大の分岐点になりました。
決勝金属バット戦|「畜産農家の夫婦の話」はなぜ衝撃だったのか
結果だけ見ると決勝は、トット281点、金属バット264点。
点差は17点でした。
| コンビ | 1点 | 2点 | 3点 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| トット | 1 | 17 | 82 | 281 |
| 金属バット | 1 | 34 | 65 | 264 |
トットの決勝ネタは「子供ができたら」。
独身の2人が、妄想で子供や奥さんを作って楽しんでいく、コント漫才の要素もあるネタでした。
初戦の「電子マネー」、準決勝の「タバコ」と比べると、ややゴリ押し感もあったように見えました。
そのためか、点数は281点。トットの3本の中では最も低い数字です。
決勝で勝つには十分とは言えない数字でした。
一方の金属バットは「畜産農家の夫婦の話」。
3分半を、ほぼ笑いなしの前フリに使う。
そして、このネタのポイントは、
子無しの夫婦、家畜、ヴィーガンなど、センシティブになりかねない言葉も出てくる。
準決勝で「祝日」という「思想がイカツイ」をオチにしたネタがあってのこのネタ。
金属バットなら何か不適切なことを言い出すのではないか、準決勝のネタすら前フリになっているヒヤヒヤ感もありました。
しかし、最後に出てきたのは、とてもしょうもないなぞなぞ。
そして「おもんないんじゃ〜!」という爆発的なツッコミで終わる。
1ボケと1巨大ツッコミで5分にも満たずの終了。
私はこのネタが終わった途端「えぇ~っ!?」と声を出してしまいました😂
賞レースの決勝としては、あまりにも異質なネタ。
ただ、お笑いファンの記憶には強く残るネタだったと思います。
「一か八か」みたいなネタを最後の最後にチョイスした結果、17点差。
THE SECONDの観客審査員は冷静に「このネタで優勝するのは違う」という審判を下したように見受けました。
結果、「きっちりと最後までネタを構成してやりきった」トットが281点での優勝という結末を迎えます。
これも、最後の最後まで分からない、ある意味で数字以上に僅差の優勝だったと思います。
金属バットの2点34票は「逃げ」だったのか
さて、ここで気になるのが、金属バットの2点34票です。
2点が多かったことについて、
Xでは、「1点か3点かのネタなのに観客は空気読めてない!」「2点は逃げの投票」のような厳しい意見が見られました。
ただ、私は少し違う見方をしています。
THE SECONDの採点は、3点が「とても面白かった」、2点が「面白かった」、1点が「面白くなかった」という定義です。
金属バットの決勝ネタは、確かに一か八かのネタだったと思います。
実際、点数発表前に友保さんが「真っ青(の可能性)もありますから」と話していたのも印象的でした。(1点が青色で表示されるため、ここで言う「真っ青」とは、1点まみれになる可能性のこと)
つまり、本人たちも3点に振れるか、1点に振れるか分からない大勝負だったことを分かっていたように見えます。
ところが、蓋を開けると1点は1票。
多かったのは、その真ん中の2点でした。
ここで、もし自分があの場にいたら、どう採点しただろうかと考えてみて欲しいです。
最後の「おもんないんじゃ〜!」という言葉通り、1点=「面白くなかった」をつけられるでしょうか?
みんな爆笑してましたよね?
あのネタは、決して面白くなかったわけではない。
むしろ、あれを決勝でやり切る金属バットらしさも含めて面白かった。
だから、3点=「とても面白かった」の票が多いのは納得。
そして、賞レースの決勝ネタとして、3点=「とても面白かった」を入れるかと言われると、そこには迷いが出る人もいっぱい居たと思います。
「面白かったけど、これで優勝はちょっと」と感じたお客さんが、2点に集まったのではないかと見ています。
確かに1点だらけの方が話のネタ的には面白かったですが、
そういう意味では、1点=面白くないの定義が重すぎるのかも知れないです。
なぜ金属バットは決勝で一か八かのネタを選んだのか
では、なぜ金属バットは決勝で、あの一か八かのネタを選んだのか。
あのネタにこだわっていたのか?
勝負を捨てに行ったのか?
良いネタが無かったのか?
ここは、当人にしか知る由もありません。
そして、「永遠に謎のまま」だと思っています。
なお、ガクテンソク奥田さんがインスタライブで、次のように語っていました。
「金属って矜持とか想いとかでやるタイプじゃないじゃないですか、で、あのネタでしょ?(普通のネタが)できへんかったから大勝負に行っただけやと思いますよ」
もちろん、これは奥田さん個人の見立てであり、金属バット本人の説明ではありません。
お笑いファンから見ると、金属バットの決勝ネタは、M-1グランプリ2009の笑い飯「ラグビー」や、2023のさや香「見せ算」を思い出しますが、彼らは最初から、最終決戦でやるために勝ち上がったと公言しています。
金属バットも、最初から最終決戦で「畜産農家の夫婦の話」をやるつもりだった可能性はあります。
そして今後、金属バット本人がどこかでこの件を語るかもしれませんが、一つ大問題があります。
それは、彼らが非常にウソつきだということです。
つまり「最初からあのために頑張った」と言っても「優勝を捨てに行った」と言っても、本音が分かりません!
だから、「永遠に謎のまま」だと思うわけです。
今大会の記録
THE SECOND 2026の主な記録を整理すると、以下の通りです。
| 項目 | 該当コンビ・試合 | 記録 |
|---|---|---|
| 今大会最高得点 | 金属バット 準決勝 | 296点* |
| 今大会最低得点 | タモンズ 準決勝 / 金属バット 決勝 | 264点 |
| 3点数最多 | 金属バット 準決勝 | 96票* |
| 最小点差 | リニア 289 vs トット 292 | 3点差 |
| 最大点差 | 金属バット 296 vs タモンズ 264 | 32点差 |
| 3試合合計点数 | トット 293-292-281 | 866点 |
| 3試合合計3点票数 | トット 94-92-82 | 268票 |
*はファイナル記録
今大会最高得点は、準決勝で金属バットが出した296点でした。
一方で、優勝したトットは3試合合計866点、3点数268票を記録しています。
最高到達点は金属バット。
3試合を勝ち切ったのはトット。
この対比が、THE SECOND 2026を象徴する数字だったと思います。
参考データ
THE SECONDは、4年連続で、
- 大阪吉本出身コンビが優勝
- 結成20年未満組が優勝
- 新M-1で準々決勝以上経験者が優勝
- グランプリファイナル初進出組が優勝
という結果になりました。
Q&A|THE SECOND 2026トット優勝をデータで振り返る
Q. THE SECOND 2026の優勝者は誰ですか?THE SECOND 2026の優勝者はトットです。決勝では、トットが281点、金属バットが264点と、トットが17点差で金属バットを下し、4代目王者となりました。
Q. THE SECOND 2026の最高得点は誰ですか?今大会最高得点は、準決勝の金属バット296点でした。
昨年のツートライブの295点を上回り、ファイナル史上最高得点を更新しました。
また、準決勝での3点96票もファイナル史上最多の3点数でもあります。
Q. THE SECOND 2026の賞金と副賞は何ですか?THE SECOND 2026の優勝賞金は1000万円です。また、副賞として、アサヒゴールド1年分とフジテレビ系22番組出演権が贈られました。22番組の内訳は、優勝記者会見に基づくと以下の通りです。
| No. | 出演権の対象番組 |
|---|---|
| 1 | 逃走中 |
| 2 | ノンストップ |
| 3 | ぽかぽか |
| 4 | めざましテレビ |
| 5 | 相葉◎×部 |
| 6 | ナゾトレ |
| 7 | かのサンド |
| 8 | 坂上どうぶつ王国 |
| 9 | かまいまち |
| 10 | ネプリーグ |
| 11 | THE MANZAI |
| 12 | SUNDAYブレイク |
| 13 | 千鳥のクセスゴ! |
| 14 | かまいたちの瞬間回答 |
| 15 | STAR |
| 16 | 全力!脱力タイムズ |
| 17 | タイムレスマン |
| 18 | 奇跡体験!アンビリーバボー |
| 19 | 超調査チューズデイ |
| 20 | ENGEIグランドスラム |
| 21 | さんまのお笑い向上委員会 |
| 22 | 爆笑レッドカーペット |
「THE MANZAI」「ENGEIグランドスラム」「さんまのお笑い向上委員会」「全力!脱力タイムズ」「爆笑レッドカーペット」など、お笑いファンにとって注目度の高い番組も含まれています。
Q. THE SECOND グランプリファイナルは後攻有利なのですか?一応は、2025年と同様、先攻3勝、後攻4勝でデータ上は僅差で有利でした。
ただ、1回戦は、先攻2勝・後攻2勝でした。順番だけではなく、ネタの完成度、会場の空気、相手との相性まで含めて見る必要があると思います。
また、一回戦で得点の高いほうが後攻を選びがち→シンプルに後攻に強い組が入っているだけかもしれないことから、あながち後攻有利すぎることも無いかも知れません。
ただ、リニアvsトットがほぼほぼ同じぐらいのウケ量で後攻のトットが勝ちきったところを見ると、後攻有利である可能性はまだ捨てきれません。
まとめ
THE SECOND 2026は、トットが3試合を勝ち切って優勝した大会でした。
初戦で「電子マネー」、準決勝で「タバコ」、決勝で「子供ができたら」と、それぞれ違う形のネタでありながら「憑依型漫才」を武器に勝ち切りました。
一方の金属バットは、準決勝「祝日」で大会史上最高得点の296点をとり、決勝の「畜産農家の夫婦の話」で、お笑いファンの記憶に残る衝撃を残しました。
最高到達点は金属バット。
3試合を通じて勝ち切ったのはトット。
この対比こそ、THE SECOND 2026を象徴するものでした。
今年も夏前に極上のお笑いをありがとうございました!
参考・出典
- THE SECOND 2026各試合の点数内訳:フジテレビ公式「日程・結果」および番組内表示をもとに確認
- THE SECOND 2026副賞情報:THE SECOND公式YouTube
- ガクテンソク奥田さんの発言:Instagramで筆者確認




